ツシマヤマネコの特徴、生態、生息地について解説します。この猫は対馬にのみ生息する野生のネコ科哺乳類であり、日本の固有種の猫になります。そのため存在自体が極めて貴重で個体数が極端に少ないことから絶滅危惧種に指定されているのです。
ツシマヤマネコとは? 基本ステータスについて
ツシマヤマネコは哺乳綱食肉目ネコ科に属するベンガルヤマネコの亜種にあたります。学名はPrionailurus bengalensis euptilurus。とてもレアな猫で日本の長崎県、対馬でしか見ることができません。体長は50-80cmで体重が3-5kg。別名アムールヤマネコ。姿は胴長で尾が太く見えます。
Japanese(和名) | ツシマヤマネコ、対馬山猫 |
English(英名) | Tsushima leopard cat |
scientific name(学名) | Prionailurus bengalensis euptilurus |
classification(分類) | Mammalia、 Carnivora、Felidae、Prionailurus 哺乳綱、食肉目、ネコ科、ベンガルヤマネコ属 |
IUCN Status(保全状況) | Critically Endangered |
Length(体長) | 50-80cm |
Weight(体重) | 3-5kg |
分類はどうなるのか?
ツシマヤマネコは日本の環境省によってPrionailurus bengalensis euptiluraで掲載されました。以前はFelis属に含められており台湾の個体群や西表島(イリオモテヤマネコ)の個体群と同種であるという説もあります。
ツシマヤマネコの生息地について
ツシマヤマネコは日本の長崎県、対馬だけにしか生息していません。そのため、生息数も極端に少ないと言う特徴があります。絶滅危惧の希少な存在なのでネットのページで動画などの展示も少ないです。
特徴は?どんな感じの生物なのか?
ツシマヤマネコにはイエネコとは異なる特徴があります。一見、同一にも見えますが、耳の後ろには斑点があること、額には縦じまがあること、尻尾がとても太いことが挙げられます。ツシマヤマネコは広葉樹林、林、水辺、集落近くの田畑や海岸近くなどを縄張りとして定住性が強いことがわかっています。1km~2kmの範囲でしか活動はしません。
性格はどんな感じになるのか?
ツシマヤマネコは非常に警戒心の強い性格を持っており、日没から夜中、明け方に行動する傾向があります。またイエネコと似ていて気まぐれでわがままなところも似ています。自然が多くある地域でのんびり生きています。
ツシマヤマネコの生態は?
ツシマヤマネコは主に、植物、ネズミやカエル、鳥を主に捕食します。大型の肉食獣がいない対馬ではこれらが唯一の食べ物になります。交尾時期は毎年、2~3月頃で4~6月頃に2~3頭産みます。妊娠期間は約2ヶ月。寿命は10年ほどで飼育下では20年ほど生きたことがあります。
ツシマヤマネコの天敵は?
現状、ツシマヤマネコの天敵は人間です。大型の肉食動物がいない対馬では人間が最大のリスクになります。実際のところツシマヤマネコは交通事故で死ぬケースが多数報告されています。これにより保護の計画が立てられ種の保存を目的に活動する団体が出てきています。
ツシマヤマネコは絶滅危惧種なのか?
ツシマヤマネコは推定個体数は100頭未満とされており、極めて危険な状況にあります。1998年に環境省がレッドリストに掲載しており、原因は人間が車で轢いてしまうこと、もともとの生息数が少ないことが挙げられます。そんなこともあり、日本の動物園で繁殖プログラムを実施し始めており、これから生息数が増えると見込まれています。保護のために国の事業で1974年の当時には天然記念物に指定されて、1994年、種の保存法により国内希少野生動植物種の指定を受けました。
ツシマヤマネコは飼育が可能なのか?
ツシマヤマネコはイエネコよりやや警戒心が強いですが生態はほぼ同じ。飼育するなら動物園や保護しているセンターから譲ってもらうしかないでしょう。既に死亡してしまった個体もありますがWikipediaの情報によると、以下の動物園で飼育が確認できています。動物園では他にも多くのイベントを開催しています。
- 対馬野生生物保護センター
- 福岡市動物園
- 井の頭自然文化園
- よこはま動物園ズーラシア
- 富山市ファミリーパーク
- 西海国立公園九十九島動植物園
- 東山動植物園
- 盛岡市動物公園
- 沖縄こどもの国
- 京都市動物園
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