現在人気者で絶滅危惧種であるラッコはどんな動物?特徴、生態、飼育、生息地について紹介、解説します。ラッコは水と密着した生活をしている可愛い人気の動物です。現生種では本種のみでラッコ属を構成しており、水族館や動物園でもよく見ることができる動物の一つでしょう。
ラッコとは? 基本ステータスについて
現在、ラッコはイタチ科に属している哺乳類の動物です。体長は100-130cmで体重は22-45kgです。学名はEnhydra lutrisとなり、漢字では海獺と書かれます。現生種では本種のみでラッコ属を構成します。情報の一覧を以下に紹介します。かわいい習性があり貝を割ることからこれを理由に人気になっています。現在は見ることが少ない動物です。
Japanese(和名) | ラッコ |
English(英名) | Sea Otter |
scientific name(学名) | Enhydra lutris |
classification(分類) | Mammalia、 Carnivora、Mustelidae、Enhydra 哺乳綱、食肉目、イタチ科、ラッコ属 |
IUCN Status(保全状況) | ENDANGERED |
Length(体長) | 100-130cm |
Weight(体重) | 22-45kg |
分類について
ラッコは500万年前くらいにカワウソ類との共通祖先から分岐したと考えられています。つまりカワウソと同じ分類と思われていました。ラッコには以下の亜種が存在します。海ではオスやメスが大きな石でお腹で貝を割る間、姿を見ることができます。アザラシやアシカとは違う動物です。
Name (名前) | scientific name (学名) |
Western sea otter | Enhydra lutris lutris |
Eastern sea otter | Enhydra lutris kenyoni |
Southern sea otter | Enhydra lutris nereis |
Enhydra lutris lutris
千島列島、コマンドル諸島などに生息しているラッコの仲間。この中でもっとも大型のラッコになります。
Enhydra lutris kenyoni
アリューシャン列島からアラスカ州あたりに生息しているラッコで、アラスカラッコとも呼ばれております。
Enhydra lutris nereis
カリフォルニアラッコと呼ばれています。このラッコはカリフォルニア州の沿岸に生息しており、以前はメキシコにも分布していました。
ラッコの生息地について
野生のラッコは北太平洋の、北アメリカ大陸から千島列島にかけて生息をしています。
特徴は?どんな感じの生物なのか?
体は長く、頭部は平たくて大きいが、首は短くて、耳は小さいのが特徴。毛色は褐色で嗅覚がとても優れています。ラッコはおもに水中で生活をしており陸上に上がるときはほとんどありません。アメリカのカリフォルニアからアラスカ、アリューシャン列島を経て、カムチャッカなどの沿岸域に分布しております。日中は休んでいることも多く、夜間も水から離れることはありません。
性格はどんな感じなのか?
ラッコはとても賢い生き物で、温和な性格をしています。1日の行動や活動のなかである程度人間と詳細までコミュニケーションを取ることが可能。
ラッコの生態は?
ラッコはウニや貝類、カニなどの甲殻類や魚を食べて生活しています。繁殖は4月あたりに行われることが多く、1回につき1頭産むことが可能。親は子育てのさいに泳ぐときも胸や背中に子どもをのせて移動をします。寿命は15年程度と言われています。
ラッコの天敵は?
ラッコの天敵はシャチかサメになります。しかし基本的にはラッコにはそれほど大きな強敵はいません。
ラッコは絶滅危惧種なのか?
ラッコは絶滅危惧種に指定されています。20世紀初頭には生息数が1000~2000頭まで推定個体数が減っており、とても危険な状態にあります。これは以下のような原因があります。ワシントン条約附属書IIにも掲載されています。問題が多く絶滅の可能性があり、保護が必要な状態です。
感染症の蔓延
カリフォルニアではトキソプラズマと呼ばれる寄生生物による被害で生息数がかなり減少しています。免疫不全の状態では重篤あるいは致死的な状態となりえます。
乱獲がとまらない
ラッコの毛を狙った乱獲が止まらない状況です。毛皮が良質であるため、これを目的とした乱獲のために生息数が著しく減少しており、政府も規制に動き始めている状況にあります。
体毛が油で汚染
ラッコは海上で生活する動物です。石油の流出などにより、体毛が油で汚染されて死ぬケースが増えています。ラッコは海水に体温を奪われて凍死するケースが増えています。事故でも死ぬケースが多いです。
ラッコは飼育可能なのか?
ラッコはそもそも絶滅危惧種に指定されています。さらにワシントン条約により国際取引が厳しく制限されているため一般人が飼育することは極めて難しいです。日本の国内では鳥羽水族館やマリンワールド海の中道などの施設の水槽で見れます。ニュースでも報道されていますのでおすすめです。全国の地域(北海道、東京、福岡など)で展示されています。アクセスが良く時間のある際に人気者のラッコをみましょう。
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