オオウミガラスはどんな動物? ウミスズメの仲間で体の全長、体重、北大西洋での分布、特徴、生態、生息地、絶滅の理由について解説します。ペンギンは南極にしかいませんが、以前は北極にも生息していたのです。それがオオウミガラスです。北極に住む唯一のペンギンとも言えるのですが実は絶滅してしまいました。
オオウミガラスとは? 基本ステータスについて
オオウミガラスはチドリ目・ウミスズメ科に分類される海鳥の一種で鳥類に当たります。学名はPinguinus impennisでペンギンに当たります。全長約80cm、体重5kgに達する大型の海鳥で羽が退化した飛べない鳥でした。
Japanese(和名) | オオウミガラス |
English(英名) | Great Auk |
scientific name(学名) | Pinguinus impennis |
classification(分類) | Aves、 Charadriiformes、Alcidae、Pinguinus 鳥綱、チドリ目、ウミスズメ科、オオウミガラス属 |
IUCN Status(保全状況) | EXTINCT |
Length(全長) | 80cm |
Weight(体重) | 5kg |
オオウミガラスの生息地について
オオウミガラスは北大西洋を中心にニューファンドランド島からグリーンランド、アイスランド、アイルランド、イギリス、スカンジナビア半島などヨーロッパの北極圏で生息していたのです。
特徴は?どんな感じの生物なのか?
オオウミガラスはウミスズメ類の中では抜きん出て体が大きな種でした。腹の羽毛は白く、頭部から背中の羽毛はつやのある黒色。翼は短く退化しており、飛べない鳥でした。陸上では体を立ててよちよちと歩いたペンギンと全く同じような生活をしていたと言われています。 集団で生活し、コロニーを形成していました。
性格はどんな感じ?
オオウミガラスはとてもフレンドリーな鳥で、人間が近づいても警戒することもなく、とても温和な鳥と言われていました。しかしこの性格が今後、悲劇を生んでしまう結果となりました。以下で説明をしていきます。
オオウミガラスの生態は?
オオウミガラスは魚類やイカ類を食べることが好きで、特にイカナゴを好んでいました。繁殖は6月ごろに行い、オスとメスが交代しながら抱卵をしていました。卵が孵化するまでの期間は1か月くらい。寿命は恐らく現生のペンギンと同じくらいと言われています。オオウミガラスは4歳から7歳で性成熟してます。
オオウミガラスはなぜ絶滅したのか?
かつて存在したオオウミガラスはなぜ絶滅したのか?結論から言えば、人間のせいで絶滅したことになります。詳しい経緯や情報を説明していきます。繁殖していたコロニーの多くをホッキョクグマに捕食されていた時期がありましたがそれは一時的な減少の要因。人間が最も致命的な打撃を与えました。
ヨーロッパ側のペンギンの絶滅
オオウミガラスの存在は中世にはすでにヨーロッパ人には認知されていました。ヨーロッパ人はオオウミガラスの羽毛に目を付けました。1534年にフランスの探検家である、ジャック・カルティエ(Jacques Cartier)が、ニューファンドランド島に上陸したことで知られるようになり、枕を作るために使われる羽毛が必要になり、オオウミガラスは狩られていき、ヨーロッパ大陸側のコロニーが絶滅しました。1794年、イギリスは羽毛を目的としたこの種の殺害を禁止したのですが、時すでに遅し。
北米側でも乱獲が始まる
オオウミガラスの存在は北米側の地域にも知られていきます。1770年代にケワタガモが絶滅寸前に追い込まれると、食料などを求めて、北米人もオオウミガラスの乱獲を始めたのです。乱獲は続き、最後にはアイスランド沖にあるウミガラス岩礁と名付けられる小島に存在するだけとなってしまいました。島は崖で囲まれていたために、人が気づくことなく、繁殖ができていましたが、さらに追い打ちをかけるように悲劇が起こります。
海底火山の噴火と絶滅
最後のオオウミガラスの繁殖地は海底火山の噴火と地震によって海に沈んでしまいます。 それでも生き残っていましたが1844年、エルデイには、最後の生き残りと言える、2羽のオオウミガラスのつがいと卵がヨーロッパ人によって殺されてしまい、絶滅してしまいました。その後、現在は南半球でしかペンギンは分布していません。今は博物館で収集されたオオウミガラスの標本からDNAを使用してオオウミガラスを復活させる可能性についての議論が進行中です。
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