フィヨルドランドペンギン(キマユペンギン)の特徴、生息地、生態について解説していきます。「森にすむペンギン」と言われるこのペンギンは極めて珍しいタイプです。ニュージーランド南西のフィヨルドランドからスチュアート島にかけて住んでいるかなりのレアなペンギンです。
フィヨルドランドペンギンの基本情報について
フィヨルドランドペンギンはマカロニペンギン属に属する鳥類。学名はEudyptes pachyrhynchus。体長は40-60cmでニュージーランドの固有種となるペンギンです。生息地がかなり限定されており、珍しいタイプです。別名はキマユペンギン、ヴィクトリアペンギン。
Japanese(和名) | フィヨルドランドペンギン、キマユペンギン、ヴィクトリアペンギン |
English(英名) | Fiordland penguin |
scientific name(学名) | Eudyptes pachyrhynchus |
classification(分類) | Sphenisciformes, Spheniscidae, Eudyptes ペンギン目ペンギン科マカロニペンギン属 |
IUCN Status(保全状況) | LEAST CONCERN |
Height(身長) | 40-60cm |
Weight(体重) | 2kg |
分類はどうなるの?
英国の動物学者ジョージ・ロバート・グレイによって1845年に記載されたのが始まり。今はマカロニペンギン属に属しています。属名は古代ギリシャ語の eu/ευ「善」と dyptes/δύπτης「ダイバー」に由来しています。フィヨルドランドペンギンは繁殖地のあるニュージーランド南島のフィヨルドランドが由来となっています。
名前:Name | Gropu:属名 | 生息地: habit |
フィヨルドランドペンギン(Fiordland penguin) | Eudyptes マカロニペンギン属 | New Zealand ニュージーランド |
シュレーターペンギン(Erect-Crested Penguin) | Eudyptes マカロニペンギン属 | New Zealand ニュージーランド |
スネアーズペンギン(Snares Islands Penguin) | Eudyptes マカロニペンギン属 | New Zealand ニュージーランド |
マカロニペンギン(Macaroni Penguin) | Eudyptes マカロニペンギン属 | Antarctica 南極大陸 |
ロイヤルペンギン(Royal Penguin) | Eudyptes マカロニペンギン属 | Antarctica 南極大陸 |
イワトビペンギン(Rockhopper Penguin) | Eudyptes マカロニペンギン属 | South Atlantic, Indian Ocean, Falkland Islands 南大西洋、インド洋、フォークランド諸島 |
フィヨルドランドペンギンの生息地について
フィヨルドランドペンギンの生息地についてはニュージーランドのみ。スチュアート島付近で多くが生息をしています。
特徴は?どんな感じの生物なのか?
フィヨルドランドペンギンは頭部から上面の羽衣は黒く、下面の羽衣は白いです。上部、後頭にかけて太く黄色い筋模様が入り、後部では垂れ下がっています。フィヨルドランドペンギンは従来のペンギンとは違い、森にすむペンギンです。彼らがいるフィヨルドランド国立公園などは世界遺産にも登録されています。
性格はどんな感じになるのか?
フィヨルドランドペンギンはマカロニペンギン属のなかで一番臆病な性格といわれています。巣に敵が近づいてくると怖がってしまう傾向が見受けられます。
フィヨルドランドペンギンの生態は?
フィヨルドランドペンギンは主にイカ、オキアミを食べて生活しています。繁殖期は7-12月で2つの卵を産み、抱卵は30-36日。ヒナは「クレイシュ」を形成します。寿命は15年から20年とされています。
フィヨルドランドペンギンの天敵は?
フィヨルドランドペンギンはウェカや人間が持ち込んだ犬や猫などの肉食動物になります。
フィヨルドランドペンギンは絶滅危惧種なのか?
フィヨルドランドペンギンはIUCNでは低懸念に分類されており、まだ個体数は安定していると言われています。ただし2013年にニュージーランドの自然保護省によってそのステータスが脆弱から絶滅危惧種に変更されてしまいました。これは以下のような原因があります。推定個体数は2,000~3,000。
人間が持ち込んだ捕食者がいる
主な脅威は、犬、猫、ネズミ、特にオコジョなどの捕食者です。これらは人間が持ち込んだことが原因。もともとニュージーランドは肉食の地上の動物が存在しませんでしたのでペンギンも安泰でした。しかし肉食動物の登場により、生息数が減ってしまってます。
フィヨルドランドペンギンの飼育は可能なのか?
フィヨルドランドペンギンの住んでいる地域は世界遺産となっており、さらにはニュージーランド政府により研究者以外が立ち入り禁止になっている区域で、そもそも出会うこと自体がかなり困難な地域で飼育は難しいでしょう。
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