アマゾンカワイルカの特徴、生態、生息地について解説していきます。現生のイルカの中では最も体が大きい種類となり、主に南米大陸に住んでいます。残念ながら絶滅危惧種に指定されています。詳しい生態や特徴について解説をしていきます。
アマゾンカワイルカとは? 基本ステータスについて
アマゾンカワイルカは、哺乳綱偶蹄目(鯨偶蹄目)アマゾンカワイルカ科アマゾンカワイルカ属に分類される鯨類になります。学名はInia geoffrensis。体長は2.8m、体重は100 – 160kg。
Japanese(和名) | アマゾンカワイルカ |
English(英名) | Amazon river dolphin |
scientific name(学名) | Inia geoffrensis |
classification(分類) | Mammalia、 Artiodactyla/Cetartiodactyla、Iniidae、Inia 哺乳綱、偶蹄目/鯨偶蹄目、アマゾンカワイルカ科、アマゾンカワイルカ属 |
IUCN Status(保全状況) | ENDANGERED |
Length(体長) | 2.8m |
Weight(体重) | 100 – 160kg |
分類について
アマゾンカワイルカはカワイルカ科に分類されていましたがアマゾンカワイルカ科に分割されました。同種について以下の一覧にまとめました。
Name (名前) | Scientific Name (学名) | Habit (生息地) |
Amazon river dolphin | Inia geoffrensis geoffrensis | Ecuador, Brazil, and Peru エクアドル、ブラジル、ペルー |
Bolivian river dolphin | Inia geoffrensis boliviensis d’Orbigny | Bolivia ボリビア |
Orinoco river dolphin | Inia geoffrensis humboldtiana Pilleri & Gihr | Colombia and Venezuela コロンビア、ベネズエラ |
Araguaian boto | Inia araguaiaensis Hrbek | Tocantins-Araguaia River Basin in the Amazon River Basin アマゾン川水域のトカンチンス・アラグアイア川流域 |
生息地について
以上の通り、アマゾンカワイルカは南米の全域に生息ています。
特徴は?どんな感じの生物なのか?
アマゾンカワイルカは最も大きい種類のカワイルカ。口先とピンクの体色が最大の特徴。明るいピンクを中心に、暗い茶色、クリーム色などがあります。前方の歯は鋭く尖っており、食物の咀嚼よりも魚体などの捕捉に使います。目は極端に小さいわりに視力はとても高いです。胸びれは体長の割りには大きく、後方に湾曲します。通常は単独ないし2頭で行動することが多いです。
生態はどうなっているのか?
アマゾンカワイルカは川に生息する魚やイカなどを食べて生活をしています。繁殖には季節性があり、5月から6月に出産します。妊娠期間は約11か月と推定され、授乳には約1年かかります。イルカは2~3年以内に独立していきます。アマゾンカワイルカの野生での平均寿命は不明。飼育下の寿命は10年~30年です。
アマゾンカワイルカは絶滅危惧種なのか?
アマゾンカワイルカは情報では残念ながら絶滅危惧種(レッドリスト)に指定されています。さらにワシントン条約附属書IIにも掲載されており、国際取引が厳しく制限されている状態です。ピンク色の体、さらに人間より大きな体をしているためメスもオスも暮らしのなかで狙われやすいです。多くのdolphinの種が危機的な状況です。ダムの建設なども害になっています。
地元の漁師による乱獲
アマゾンカワイルカは地元の漁師たちにより乱獲されており、食用肉にされたり、漁業の邪魔にもなることから排除されています。ブラジルではアマゾン川イルカの殺害を禁止しているにもかかわらず、殺害は続いています。
熱帯雨林の汚染と破壊
最大の問題は水質汚染や環境破壊によるものです。これによりイルカは健康を害するようになってしまい、とても危険な状態で生息することになります。産業採掘からの水銀やその他強力な化学物質の流域への投棄により生命体に害悪な状態になっています。
カワイルカ世界宣言
2024年、カワイルカ世界宣言が採択されました。世界中のカワイルカの個体数減少を逆転させることを目指しています。 2024年初めの時点で、カワイルカを飼育している14か国のうち11か国がこの宣言に署名。
アマゾンカワイルカは飼育できるのか?
残念ながら絶滅危惧種に指定されています。さらにワシントン条約により国際取引が厳しく制限されているため、アマゾンカワイルカの飼育は極めて困難な状況です。
コメント