ペンギンの種類一覧 特徴や生態について紹介します。ペンギンと言えば世界で最も人気動物のひとつです。そんなペンギンは現在18種類が世界で生息しており、中には飼育している方も少なくありません。そこでどのようなペンギンがいるのか、一覧で紹介をしていきます。
- ペンギンとは?どんな動物なのか?
- ペンギンの歴史
- ペンギンの種類を紹介
- コウテイペンギン(Emperor Penguin)
- キングペンギン(King Penguin)
- アデリーペンギン(Adelie Penguin)
- ジェンツーペンギン(Gentoo Penguin)
- ヒゲペンギン(Chinstrap Penguin)
- ガラパゴスペンギン(Galapagos Penguin)
- ケープペンギン(African Penguin)
- フンボルトペンギン(Humboldt Penguin)
- マゼランペンギン(Magellanic Penguin)
- フィヨルドランドペンギン(Fiordland penguin)
- シュレーターペンギン(Erect-Crested Penguin)
- スネアーズペンギン(Snares Islands Penguin)
- マカロニペンギン(Macaroni Penguin)
- ロイヤルペンギン(Royal Penguin)
- イワトビペンギン(Rockhopper Penguin)
- キンメペンギン(Yellow-Eyed Penguin)
- コガタペンギン(Little Penguin)
- ハネジロペンギン(White-flippered Penguin)
- ペンギンは飼育できるのか?
ペンギンとは?どんな動物なのか?
ペンギンは、ペンギン目(Sphenisciformes)に属する鳥の総称にあたり、主に南半球に生息している鳥類です。歩き方がヒトと同じ直立二足歩行のような感じでとても人間に人気があります。このペンギンは主に南半球で多く見られます。陸上ではゆっくりとぎこちなく歩くペンギンも、水中では素速い動きを見せてくれます。飛べない鳥ですが、水中では餌となる魚を取るために相当速く泳げる能力を持っているのです。
飛翔能力を失った動物
ペンギンの最大の特徴は飛べない鳥だということ。普段のペンギンは水の中で魚を採取して食事をします。そして、陸に上がって睡眠をとると言う生活スタイルです。ペンギンの種類によって違いはありますが、大体が同じと言われています。ペンギンの食べ物は魚やイカ、甲殻類を食べます。飛翔能力を失ったのは、海中に食べ物があるため、そして身近に捕食者がいなかったために羽が退化したと予測されています。
フリッパーを持っている
「フリッパー」とは翼のこと。 オール状になったペンギンの翼は「フリッパー」とよばれています。このフリッパーを活かしてペンギンは上手く泳ぐことができるようになりました。ペンギンの翼はとても硬いです。これは骨と筋肉が密集しているため、かなり重くすることで船でいうオールのような役割を果たすから。これにより高速で水中で泳ぐことが可能になっています。
ペンギンの恋愛は一途なタイプと浮気性
ペンギンの恋愛は一途ともいえますし浮気性ともいえます。群れをなすペンギンは基本的に、一夫一妻制のペアを形成します。ペアになると、そのまま一生を添い遂げるタイプがマゼランペンギン。その一方で死亡率の高いアデリーペンギンなどはよく浮気をします。これはパートナーがシャチやトウゾクカモメなどの捕食されて死亡してしまうケースが多いから。とても尻が軽く、浮気が大好きなペンギンもいます。
群れで生活をする
ペンギンは群れで生活をする習性を持っています。これは当然ながら食物連鎖のトップではないから。コロニーと呼ばれ、ペンギンは群れで生活をすることで自分の身を守ります。そしてヒナが生まれるとヒナのたまり場である「クレイシュ」が形成されることでも有名です。
カウンターシェーディング
カウンターシェーディングと言う言葉を知っていますか?体表の日陰になる部分が明るい色になり、光の当たる部分が暗い色になる現象です。ペンギンは残念ながら食物連鎖のトップにはいません。水の中ではサメやシャチ、陸上ではコンドルやキツネなど捕食者がいるのです。彼らから身を守るためにお腹は白で、背中は黒となっており、カモフラージュさせているのです。
ペンギンの歴史
ペンギンはいつ出現したのか?気になる方はとても多いはずです。おそらくペンギンの原型となるペンギンは今から5000万年前~6000万年前に誕生したと言われています。ペンギンが最初に誕生したのはジーランディア(今のニュージーランド)と言われています。
クロスヴァリア・ワイパレンシス
ジーランディアは8500万年前に陸地が沈降して、島として孤立したことで陸生哺乳類が絶滅。それにより、地上生の鳥が誕生しました。これで登場したのはクロスヴァリア・ワイパレンシス(Crossvallia waiparensis)。今から6600万年~5600万年前に生息したと言われています。体高が160㎝、体重80kgと言う超大型の鳥でした。
クポウポウスティルウェリ
次に誕生したのはニュージーランドの付近にあるチャタム島で生まれたのがクポウポウスティルウェリ。6000万年前ごろに生息し、体高は110cmと言われています。他の古代ペンギンと比べて小型で、現生のペンギンとかなり似ています。クポウポウスティルウェリは潜水能力を身につけ、飛翔能力を失ったと言われています。
クミマヌビケアエ
次に誕生したと言われているのはクミマヌビケアエ。6000万年前から5500万年前に誕生しました。体長は177㎝、体重100kg程度と言われており、ヒトと同じくらいの体格でした。陸上では直立歩行をして、付近ではアザラシなどの捕食動物がいたことから、体色が体の前後で変わる(カウンターシェーディング)ようになりました。
イカディプテス・サラシ
次に誕生したのはイカディプテス・サラシで3700万年前に誕生しました。彼らは熱帯で生息し、体長は150㎝、ペルーのあたりで生息していたと言われています。彼らの特徴は現生のペンギンよりも嘴がとても長く、魚を刺して食べていたと推測されています。そしてこのころから世界の海流が変化し、ペンギンの生態が変化していくことになりました。
ペンギンモドキ
3000万年前から1700万年前にはペンギンモドキと呼ばれるペンギンが北アメリカや日本にかけて生息していました。体長は200㎝と言われておりました。絶滅した原因は不明ですが肉食動物の増加ではないかと言われています。
現生のペンギンに近い種族の登場
かなり前置きが長くなりますが、ルーカスウミガラスとオオウミガラスと言う現生のペンギンとかなり近い種族が1500万年前に誕生しました。彼らはおそらくウミスズメか、ウミガラスから分岐したとされており、ルーカスウミガラスは10万年前までいました。オオウミガラスは1800年代、つい最近までいたのです。オオウミガラスは北半球に生息していたペンギンで、ヨーロッパ人によって捕食されて絶滅してしまいました。
南半球にのみ生息する
そして現生のペンギンが誕生して現在に至ります。現在のペンギンは生息地の分布は南半球にのみ生息しておりましたが、以前は北半球にも生息していたことが分かります。つまり、ペンギンは決して南半球でしか生息できないわけではないのです。
ペンギンの種類を紹介
前置きがかなり長くなってしまいましたが、現生のペンギンを紹介します。ペンギンは6属18種類で構成されており、絶滅危惧種に指定されているものばかり。全部知っていたらペンギン博士になれるでしょう。表にしてまとめて一覧で紹介します。ニュージーランドにとても多くの種類がいることがわかります。
名前 | 属名 | 生息地域 |
コウテイペンギン(Emperor Penguin) | Aptenodytes コウテイペンギン属 | 南極大陸 |
キングペンギン(King Penguin) | Aptenodytes コウテイペンギン属 | 南大西洋、インド洋 |
アデリーペンギン(Adelie Penguin) | Pygoscelis アデリーペンギン属 | 南極大陸 |
ジェンツーペンギン(Gentoo Penguin) | Pygoscelis アデリーペンギン属 | 南極大陸 |
ヒゲペンギン(Chinstrap Penguin) | Pygoscelis アデリーペンギン属 | 南極大陸 |
ガラパゴスペンギン(Galapagos Penguin) | Spheniscus フンボルトペンギン属 | ガラパゴス諸島 |
ケープペンギン(African Penguin) | Spheniscus フンボルトペンギン属 | 南アフリカ |
フンボルトペンギン(Humboldt Penguin) | Spheniscus フンボルトペンギン属 | チリ |
マゼランペンギン(Magellanic Penguin) | Spheniscus フンボルトペンギン属 | 南アメリカ太平洋岸 |
フィヨルドランドペンギン(Fiordland penguin) | Eudyptes マカロニペンギン属 | ニュージーランド |
シュレーターペンギン(Erect-Crested Penguin) | Eudyptes マカロニペンギン属 | ニュージーランド |
スネアーズペンギン(Snares Islands Penguin) | Eudyptes マカロニペンギン属 | ニュージーランド |
マカロニペンギン(Macaroni Penguin) | Eudyptes マカロニペンギン属 | 南極大陸 |
ロイヤルペンギン(Royal Penguin) | Eudyptes マカロニペンギン属 | 南極大陸 |
イワトビペンギン(Rockhopper Penguin) | Eudyptes マカロニペンギン属 | 南大西洋、インド洋、フォークランド諸島 |
キンメペンギン(Yellow-Eyed Penguin) | Megadyptes キンメペンギン属 | ニュージーランド |
コガタペンギン(Little Penguin) | Eudyptula コガタペンギン属 | ニュージーランド、オーストラリア |
ハネジロペンギン(White-flippered Penguin) | Eudyptula コガタペンギン属 | ニュージーランド |
コウテイペンギン(Emperor Penguin)
コウテイペンギン(Emperor Penguin)は一番大きなペンギンで、エンペラーペンギンとも呼ばれています。地球上でもっとも過酷な南極大陸の環境に適応しています。体長100cm~130cmで南極大陸に生息し、イカ、オキアミなどを食べて生活をしています。ペンギン全種の中でもっとも大型で体つきは頑丈。
キングペンギン(King Penguin)
キングペンギン(King Penguin)はオウサマペンギンとも言われます。2番目に大きなペンギンで、体長は85cm~95cm、比較的温暖な亜南極のケルゲレン島、クロゼ諸島、プリンス・エドワード諸島、マリオン島、ハード島、マッコリーニ島で、コロニー(繁殖地)を形成して生活をします。キングペンギンは、コロニーや近くの海岸で生活をしています。
アデリーペンギン(Adelie Penguin)
アデリーペンギン(Adelie Penguin)は日本人なら馴染みがあるはず。JRのSuicaのモチーフになっているからです。目の周囲にある白色のアイリングと、白黒のツートンカラーが特徴的で南極大陸をメインに生息しています。
ジェンツーペンギン(Gentoo Penguin)
ジェンツーペンギン(Gentoo Penguin)は南極周辺で生息しています。目は茶色。くまどりの様な白色のアイリングがあるのが特徴です。ジェンツーペンギンは潜水能力に優れており平均潜水時間2.5分で平均潜水深度は80mにも及びます。
ヒゲペンギン(Chinstrap Penguin)
ヒゲペンギン(Chinstrap Penguin)は顎の下にヒゲのような模様があることが特徴のペンギンです。体長は70〜76cmで南極に住んでいます。体は濃い紺色で頬は白色をしています。
ガラパゴスペンギン(Galapagos Penguin)
ガラパゴスペンギン(Galapagos Penguin)はガラパゴス諸島にのみ生息するペンギンです。体長は50㎝、体重は2kgしかないため、とても小さいです。ガラパゴスペンギンは、ペンギンの中では珍しく、赤道直下の熱帯地域に生息しています。目からあごまでの細い白のラインと、胸の周りの黒い帯が特徴。
ケープペンギン(African Penguin)
ケープペンギン(African Penguin)は南アフリカ共和国に住むアフリカで唯一のペンギンです。このペンギンは比較的暖かい地域で生息しており、人間と生活することも可能。目の周りがピンク色で、足が黒色をしているのが特徴的な中型のペンギンです。図鑑やレポートなどでもよく見ますね。
フンボルトペンギン(Humboldt Penguin)
フンボルトペンギン(Humboldt Penguin)はフンボルト海流が流れる、南アメリカ西部に住んでいるペンギンです。頭にある白く細いラインと、首と胸の間にある黒く太い1本のラインが特徴になり、比較的温暖な地域に住んでいることから、人間と生活がしやすいペンギンと言えるでしょう。
マゼランペンギン(Magellanic Penguin)
マゼランペンギン(Magellanic Penguin)は世界一周を果たした航海者マゼランが見つけたペンギンと言われています。体長は65~70㎝くらいの中型のペンギンです。他のフンボルトペンギン属のペンギンたちと違って、胸の黒いラインが2本あります。
フィヨルドランドペンギン(Fiordland penguin)
フィヨルドランドペンギン(Fiordland penguin)トサカがあるペンギンでフィヨルド地域・オークランド諸島・スチュワート島でしか見れません。冠羽はスネアーズペンギンに似ていますが、頬に白いラインがあります。
シュレーターペンギン(Erect-Crested Penguin)
シュレーターペンギン(Erect-Crested Penguin)はバウンティ諸島・オークランド諸島・マッコリー島などに住んでいるペンギンで、体長は65㎝~70㎝で黄色く太い冠羽がとても特徴的なペンギンです。
スネアーズペンギン(Snares Islands Penguin)
スネアーズペンギン(Snares Islands Penguin)はスネアーズ島でしか見ることができないペンギン。体長は51〜61cmでスネアーズ島自体が研究者しか立ち寄れない島なので、一般人は触ることすらできません。
マカロニペンギン(Macaroni Penguin)
マカロニペンギン(Macaroni Penguin)はチリの南部・大西洋からインド洋にかけて生息している中型のペンギンです。額の真ん中から生えている黄色い冠羽が最も大きな特徴。マカロニとは、近代のイギリスで流行したマカロニと言うスタイルを指しています。
ロイヤルペンギン(Royal Penguin)
ロイヤルペンギン(Royal Penguin)はオーストラリア・ニュージーランド・マッコリー島に生息するペンギンで、マカロニペンギンと違って顔が白です。また、マカロニペンギンよりも体が少し大きいですので別種となります。
イワトビペンギン(Rockhopper Penguin)
イワトビペンギン(Rockhopper Penguin)は黄色い冠羽だけでなく、黒い冠羽もあります。亜種があり、ヒガシイワトビペンギン、ミナミイワトビペンギンと言う種族も存在します。移動は特殊でぴょんぴょんと岩から岩へ飛びはねて移動します。
キンメペンギン(Yellow-Eyed Penguin)
キンメペンギン(Yellow-Eyed Penguin)はキガシラペンギンとも呼ばれています。ニュージーランドで生息しており頭が明るい黄色をしているのが大きな特徴です。
コガタペンギン(Little Penguin)
コガタペンギン(Little Penguin)はフェアリーペンギン、ブルーペンギンと呼ばれている、最も世界で人気のペンギンです。体長はわずか30㎝しかないためとても可愛いです。コガタペンギンはオーストラリアやニュージーランドで見ることができます。
ハネジロペンギン(White-flippered Penguin)
ハネジロペンギン(White-flippered Penguin)はコガタペンギンの亜種に当たります。翼のふちが白いことと、ハネジロペンギンの方がやや大きいことが違いとしてあります。彼らもとても小さなペンギンで体長は40㎝程度しかありません。バンクス半島・モトナウ島でのみ見ることができます。
ペンギンは飼育できるのか?
そもそもペンギンは、自由に飼育はできるのでしょうか?ペンギンは犬や猫と比べるとハードルはとても高いです。興味がある方は以下のような条件を加味して飼育しましょう。またこれとは別に獣医をしっかり確保することが条件になります。ペンギンを診てくれる医師はとても少ないです。
飼育体制がしっかりしていることが条件
ペンギンを任せられるような大型施設が必要になります。広大なプール、水のろ過機能、オキアミなどの魚、さらには巣穴も必要になります。さらにいえばコウテイペンギンなどは寒冷な南極大陸に住んでいますから、常温で飼育できる設備が必要です。かなりハードルは高いです。
ペンギンの入手方法
ペンギンの入手方法は容易ではありません。ほとんどのペンギンは絶滅危惧種に指定されており、ワシントン条約で取引が制限されております。ただし取り締まるのは、「国際間の取引」だけです。あなたの国の国内であれば、水族館や動物園から譲渡してもらって飼育すると言う手段があります。
ペンギンの値段はいくらくらい?
もしペンギンに値段をつけるならいくらくらいになるのか?ほとんどが絶滅危惧種に指定されてされていることもあり容易ではありません。コウテイペンギンやオウサマペンギンなどは日本円で1羽1000万円くらいになります。フンボルトペンギンやケープペンギンは100万円足らずで買えたりもします。
ペンギンの寿命はどのくらい?
ペンギンの寿命は、おおよそ15年~20年くらいです。飼育下では天敵もいないし、体調管理や病気もしっかりしているため、かなり長寿になる傾向がありますので30年近く生きるケースもあります。かなりの覚悟が必要であることは間違いなさそうです。
くちばしに注意が必要
ペンギンは嘴(クチバシ)を持っています。このくちばしはとても硬いですので、噛まれるとかなり痛いですし血も出ます。またハネジロペンギンやコガタペンギンは性格がとても凶暴で攻撃性が強いので、慣れるまでは攻撃してくることもありますので注意しましょう。
おすすめはフンボルトペンギン属
おすすめはフンボルトペンギン属です。ケープペンギン、フンボルトペンギン、マゼランペンギンなどは比較的暖かい地域に生息しているため、とても人間の住んでいる環境に順応しやすいからです。普通に猫などと共に飼育している家庭もあります。飼育用具は以下の記事でも参考にしてみてください。
コメント